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時計屋さんに持っていく前に確認するべき5つの事
結論からお伝えしますと腕時計が止まって修理や電池交換に持ち込む際に、実は故障していない事が多々あります。
それはいろんな機能や、時計のスタイルにより異なりますのでこれから解説していこうかと思います。
『電池交換しに行ったけどまだ電池残量があって動いていた』なんてことも日常茶飯事です。
そうなるとお金が掛からなかったとしても時間のムダになりますよね!
みたいなこともよく言われるのですが、間違った使い方や誤って時間がズレてしまうこともあるので電池が原因では無いことをお伝えして納得される方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。
今回はわざわざ店頭までお越しいただいて無駄足になる方々が少しでも減って、好きなことに時間が使えるお手伝いが出来ればと思い解説していこうかと思います。
その時計ホントに電池交換が必要な時計ですか?
連日電池交換をする必要のない時計が電池交換で持ち込まれています。
購入時には“『ソーラー電池』で電池交換が面倒という理由で光発電式を買っている”のにです。
信じがたいと思いますが、具体的にはこのようなやり取りが非常に多いのです。
じゃないんですよ!
買った時の『電池交換が面倒だから』はどうなったんですか!
結局は電池交換をしに来店するというムダ足。
光発電方式、いわゆるソーラー電池の時計はほとんどが国産になります。
一部ファッションウォッチもあるのですが、中の機械(ムーブメント)は国産の機械が入っているはずです。
- 写真上 CASIOの表記は【TOUGH SOLAR】
- 写真左 SEIKOの表記はシンプルに【SOLAR】
- 写真右 CITIZENの表記は【ECO DRIVE】
保証書が無い場合修理やベルト交換料金が高くなるメーカーがある
特に海外品に多いのですが、部分修理やオーバーホール(分解洗浄)、ベルトの交換に至るまで保証書が無い場合割増しになるメーカーが多数存在しています。
中にはオーバーホール(今後OHで表記)料金が保証書があった場合の2~2.5倍になるメーカーもあります。
このことをお伝えすると
とかなりの確率で返答が帰ってきます。
違うんです!
保証は切れていていっこうに構わないのです。保証書の有る無しが問題なのです。
保証書があることによって【会員】とみなされます。
例えば会員料金で修理するとOHが1万円のところ、保証書が無いだけで2万円に跳ね上がるという事態になります。
保証書、つまりは『紙一枚で!』です。
しかもコレ一回だけなら我慢できるレベルの方もいらっしゃるとは思いますが、保証書が無い場合は
次回の修理も非会員扱いでの修理となります。
保証書を持って行かない、あるいは失くしてしまうと永遠にこのループとなってしまします。
なんてお思いの方、それは違います。
いずれ必ず時計は壊れます!
何故なら時計には油が注油されていて、いずれそれが乾いて汚れとなり時計に悪影響を及ぼして電池切れが早くなったり、機械式の場合は遅れてしまったりと何らかの影響が出てきます。
こうなるといつ止まるか分からなく、時計としては心配で信用できませんよね。それで修理が必要となるのです。
新しい時計を買うという手段もありますが、高級な時計やプレゼントされた思い出のある物の場合はそうはいきません。
高級時計の修理の場合には4~5万円は当たり前。
保証書が無いだけで料金が倍!これが時計を所有している限り数年に1度続くかと思うとゾッとしますよね。
電波時計なのに時間や日付がズレている
近年多いトラブルなのですが、全くくるわないと謳われている電波時計が時間が合わないという事象です。
理由は主に2つ
- 衝撃による基準位置のズレ
- 磁気による基準位置のズレ
(スマホや磁気製品の近くに時計を置くと基準位置がズレる)
大体はこの上記2つに該当します。
基準位置とは時計の午前0時00分00秒、日付が1日の事です。
電波時計で時間がくるった場合には、基準位置の修正、あるいはリセットをしない限りは時間が合うことはありません。
国産時計の場合には必ず各社ホームページに取扱説明書のダウンロード出来るところがあります。裏蓋の機械番号を見て取扱説明書をダウンロード後
- 基準位置の確認
- ズレている場合は修正
- 強制受信
ソーラー電池の場合は十分に充電してから行いましょう。
この手順で時間は必ず合います※合わない場合は故障です。
外装の損傷は保証内期間でも修理代が掛かります
外装・つまりはガラスやベルト、リューズ等の内部機械以外の所です。
この場合は有料です。
保証書にも記載があるのですが、正常な使用で故障した場合のみ保証。
このような類の内容が必ず記載されています。
ぶつけたり落としたりして壊れた場合は保証対象外なのです。この場合は保証ではなく、個人で物損の保険に入るなどリスクマネジメントする必要がありますね。
自損により故障した場合には有料になることを前提としてお店にお持ちください。
無料だと思って来店した場合にはムダ足になってしまいます。
それ秒針ではないです
真ん中にある秒針、コレは時計の秒針ではないのです。
ストップウォッチの秒針です。
右上のボタンを押さないと動かない針です。
丸い小窓は?
- 12時位置がストップウォッチのカウンター
(積算計) - 9時位置が時計の秒針
- 6時位置がこの時計の場合はアラームの設定時刻です
まずは時計の時刻が合っているのか確認して、ボタンを押しても不動の場合に電池交換を依頼しに行きましょう。
番外編 時計はいずれ壊れる
そもそも自分の時計が壊れないと思っている方が非常に多いように感じます。
と言われますが、ホントに普通でしょうか?
スマホの上に時計を置いていたり、お風呂に入る際に時計を着けていたり(防水の時計でもお風呂で着けると水が入る場合あり)
今一度時計の扱いを改めてみても良いかもしれません。
時計屋さんに持っていく前に確認するべき5つの事まとめ
長々と解説してきましたが、難しいことは書いていないつもりです。
なるべく簡単に要点をまとめていますので、ムダ足を踏む前にご自身で確認できれば回避できることばかりです。
費用は掛からなくても時間が無駄になってしましますので、参考にして頂ければ嬉しいです。